先週、産経新聞より、上記Xの投稿がありました。
そこで防災庁について考察いたしました。
「防災庁」設置へ本格検討:災害対応の司令塔機能強化目指す
日本政府および与党・自由民主党(自民党)は、近年頻発・激甚化する自然災害や、将来発生が懸念される国難級の大規模災害に備えるため、災害対応能力を抜本的に強化する新たな行政機関「防災庁」の設置に向けた検討を本格化させている。
この動きは、自民党の「防災体制抜本的強化本部」(本部長:谷公一衆議院議員)が取りまとめた提言案に基づいている。同提言案は、内閣総理大臣をトップとする新たな防災組織の設立を求めるもので、早ければ2025年5月中にも政府に提出される見込みである 。
防災庁の設置は、石破茂首相が率いる現政権の主要政策の一つとして明確に位置づけられている 。政府はすでに2024年11月、内閣府に「防災庁設置準備室」を発足させており、令和8年度(2026年度)中の設置完了を目標に掲げている 。
この構想が具体化してきた背景には、東日本大震災以降、毎年のように発生する地震、豪雨、台風による甚大な被害がある 。特に2024年1月に発生した能登半島地震では、現行の防災体制における課題が改めて浮き彫りとなった 。さらに、今後30年以内の発生確率が80%とも予測される南海トラフ巨大地震や、首都直下地震といった未曽有の国難級災害への備えが喫緊の課題となっている 。気候変動に伴う災害の激甚化・頻発化も、体制強化を後押しする要因である 。これまでも大規模災害が発生するたびに、防災体制の強化や専門組織の設置は議論されてきたが、省庁間の調整の難しさなどから具体的な進展は見られなかった 。しかし、石破政権の強い政治的意思、能登半島地震をはじめとする近年の災害経験、そして長年にわたる改革論議が結実し、今回の構想は過去の停滞を乗り越えて実現に向けた具体的な動きを見せている。防災庁設置準備室の設置は、その象徴と言えるだろう 。
参考資料
- 防災庁設置 岡本全勝氏からヒアリング 防災体制抜本的強化本部 | お知らせ – 自由民主党 https://www.jimin.jp/news/information/210326.html
- 防災庁の在り方検討開始防災体制抜本的強化本部 | お知らせ | ニュース – 自由民主党 https://www.jimin.jp/news/information/209601.html
- 「防災庁」設置の有効性を考える―危機管理部門の集約効果とその限界 | 記事一覧 | 国際情報ネットワークIINA 笹川平和財団
https://www.spf.org/iina/articles/yuki_kobayashi_17.html - 防災立国へ、これからの時代に必要な防災政策とは【内閣府 河合審議官インタビュー】
https://say-g.com/interview-kawai-koichi-cao-9785 - 防災DXとは?必要性と課題、自治体の取り組み事例 – ポケットサイン株式会社
https://pocketsign.co.jp/blog/15 - 防災に関してとった措置の概況 令和5年度の防災に関する計画 – 防災情報のページ https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/pdf/r5_all.pdf
- 防災に関してとった措置の概況 令和3年度の防災に関する計画 – 防災情報のページ https://www.bousai.go.jp/kaigirep/hakusho/pdf/r3_all.pdf
- 規模災害時における被災者 援体制について (参考資料) – 内閣官房 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bousaichou_preparation/dai3/sankou1.pdf
- 2026年スタート!新設「防災庁」ってどんな組織? 災害に強い社会をめざす最新プランを解説 https://imasaranews.com/government/96/
- 防災の原点に立ち返って考える防災庁に期待する機能 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/bousaichou_preparation/dai4/siryou2-2.pdf